今回は最も重要な支出の見直しについて説明していきます。
まず結論を述べます。 以下に記載した3つの行動原則と2つの心構えを大切にしてください。
3つの行動原則と2つの心構え
【行動原則】
- まずは各支出項目を収入に対する比率で表現する
- 標準的な支出割合を大きく超える支出を把握し、減らす
- 収入が上がった場合でも、支出は増やさない
【心構え】
- 他人と比較しない
- 比較するのは、過去の自分もしくはなりたい自分
説明してきます。
(サンプルの前提) 夫婦共働きで子供1人の家庭です。
- 夫(33歳):手取月収18万円
- 妻(33歳):手取月収15万円
- 子(5歳)
まずは各支出項目を収入に対する比率で表現する
家計簿をつけて、毎月の支出を収入に対する比率で計算してみます。
家計簿をつけておらず、月々の支出額が不明な家庭は非常に危険です。
項目 金額 割合 飲食費 55,000 17% 住居費 115,000 35% 水道光熱費16,000 5% スマホ代 20,000 6% お小遣い 30,000 9% 保険料 5,000 2% 教育費 35,000 11% 被服費 12,000 4% 交際費 12,000 4% 日用品費 12,000 4% その他 8,000 2% 貯蓄・投資 10,000 3% 支出計 330,000 100%
標準的な支出割合を大きく超える支出を把握し、減らす
私が考える標準的な支出割合と比較してみます。
項目 標準金額 標準割合 実際金額 実際割合 差分 飲食費 50,000 15% 55,000 17% 2% 住居費 95,000 29% 115,000 35% 6% 水道光熱費15,000 5% 16,000 5% 0% スマホ代 10,000 3% 20,000 6% 3% お小遣い 15,000 5% 30,000 9% 5% 保険料 10,000 3% 5,000 2% -2% 教育費 30,000 9% 35,000 11% 2% 被服費 10,000 3% 12,000 4% 1% 交際費 15,000 5% 12,000 4% -1% 日用品費 10,000 3% 12,000 4% 1% その他 10,000 3% 8,000 2% -1% 貯蓄・投資 60,000 18% 10,000 3% -15% 支出計 330,000 100% 330,000 100% 0%
今回のケースの場合、住居費、スマホ代、お小遣い、教育費といった項目が多額になっていることがわかります。こういった金額の高い部分(特に固定費)を集中的に見直していくことで、支出の削減につながっていきます。。
ここで一つ補足をするならば、お小遣いのカットはどうしてもできない、という結論になった場合です。そのような場合には、その他の支出を減らすことで対応、といった対応でもOKです。 あくまでも、無駄の多そうな支出を見つけ出し、無駄の多いところから減らしていくことで大きく支出を減らそうというアプローチにすぎませんので、そこは各人の価値観や生活スタイルに合わせてください。
最終的に手取の2割程度が貯蓄・投資に回せるように見直していき、これを長期・継続的に実行していくことになります。ここがしっかりできれば、その後の苦労は少ないと思います。
収入が上がった場合でも、支出は増やさない
これも非常に重要です。普通の人は、特別意識をしない限り、収入が上がった場合に支出も上げてしまいます。 例を挙げるならば、出世して給料が上がると、より広い家に引っ越したり、車を買ったり、子供を公立の学校ではなく私立の学校に行かせたり、といった風になります。 これでは、お金が貯まるはずもありません。 仮に1か月あたり1万円の昇給があった場合、7割の7,000円は貯蓄・投資の増加に回し、残り3割の3,000円をなんらかの支出の増加にあてる、といった工夫が必要です。
これら3つの行動原則を守れれば、自然とお金は増えていくはずです。
最後に2つの心構えを説明します。
「他人と比較をしない」
私たちはどうしても他人と比較してしまいがちです。 例えば、 自分の収入や貯蓄額を世の中の平均と比べて一喜一憂したり、 同僚や友人が最新の商品・流行りの商品を持っていたら自分も買いたくなったり、 こんなことばかりではないでしょうか。 周りが持っているので何となく買ってみる、そういった消費の仕方をしていると、いくらお金があっても足りなくなってしまいます。 是非、他人に流されない意思を持っていただきたいと思います。 個人的にはSNSを見ないことを強くお勧めします。
「比較するのは、過去の自分もしくはなりたい自分」
元メジャーリーガーのイチロー選手は、他の選手と自分を比べることはなく、常に自分と向き合ってきたことで知られています。 昨日の自分より今日の自分の方が成長している、 今日一日で、理想の自分に少し近づけた、 そんな風に考え、行動することができれば、支出削減も楽しめますし、人生もより充実すると思います。
各支出をどのように削減するかは改めて紹介してきます。