こんにちは、会計士のねこぱんだ(@nekopanda_blog)です。
独身のまま結婚適齢期を過ぎ、「ひょっとしてこのままずっとひとりかも?」と思ったら、ぜひこの記事を読んで頂ければと思います。
生涯未婚率は年々増えており、2019年のデータだと男性で23.4%、女性で14.1%となっています。敢えて結婚しないという人生を選択する人もいますが、おひとり様ならではの悩みもあると思いますので解説します。
おひとり様のライフイベントは最大2つしかない
おひとり様のライフイベントは「住宅購入」と「老後」しかありません。
人によっては住宅を買わない人もいますので、その場合は「老後」だけになります。
ファミリーだと「結婚」「出産」「子育て」といったライフイベントがあり、おひとり様に比べるとライフイベントは多く、お金もかかります。それに比べると、おひとり様はライフイベントは少なく、お金がかかりにくいと言えるでしょう。
個人的には、住宅は購入した方がいいと思います。ただし、どんな住宅でもいいかと言いますと、それは違いますので、次で解説します。
住居は立地・利便性にこだわった1LDKのマンションが狙い目
おひとり様のマンション選びは、「売ること、貸すことを大前提」にすることが大事です。そのためにも、このような条件を備えるマンションがいいでしょう。
- 複数路線利用可
- 最寄り駅徒歩5分圏内
- 買物などの利便性が高い
一言でいえば「便利」なマンションです。住まいに便利さを求める人は増え続けており、広さやグレードは二の次にしましょう。
次に間取りですが、1LDKをお勧めする背景はこのような感じです。
- もし結婚した場合に一緒に住めるように
- 両親の片方が亡くなった時に、一緒に住むという選択肢を残すため
将来何が起こるかはわかりませんので、それを見据えた戦略と言えます。仮に、「どんなことがあっても一人で生きていく」、という場合は1Rや1Kを購入してもいいでしょう。
例えばですが、30歳で都内に10坪(33㎡)の1LDK、坪単価300万のマンションを購入し、住宅ローンを組んだ場合の支払いはこのような感じです。(諸費用は簡略化のため無視しています。)
- 借入額:3,000万円
- 毎月返済額:89,750円
- 金利:0.5%
- 借入期間:30年
修繕積立金と管理費を含めると月に10万強くらいになると思います。やや高いですが、都内であれば仕方ない水準ですし、将来のためにも資金をやり繰りしたいところです。返済期間は35年で組んでもいいですが、早期弁済をして必ず60歳までに返すようにしましょう。
後述しますが、老後にはこのマンションを貸す(もしくは売却)ことになりますので、立地は妥協できないところです。
なお、2019年12月現在の不動産市況は高騰しており、坪300万で都心のマンションは厳しい水準なので、もう少し待った方がいいと思います。
老人ホームの月額料金は「年金+家賃収入」で賄う
次に老後です。おひとり様の場合、頼れる親族も少ないでしょうから、老後は老人ホームなどで過ごされるものと思います。
LIFULL介護によりますと、かかるお金はこのようになります。
施設の種類 | 区分 | 入居一時金の相場 | 月額料金の相場 |
介護付き有料老人ホーム | 民間 | 0~数億円 | 15~35万円 |
住宅型有料老人ホーム | 民間 | 0~数千万円 | 15~35万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 民間 | 0~数十万円 | 10~30万円 |
グループホーム | 民間 | 0~数百万円 | 15~30万円 |
特別養護老人ホーム | 公的 | 0円 | 6~15万円 |
ケアハウス | 公的 | 数十万~数百万円 | 15~30万円 |
https://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/cost/
料金はまちまちですが、基本的に都心は高く、郊外ほど安くなります。
そして、「入居一時金」と「月額料金」が必要となります。
ざっくりのイメージですが、入居一時金で300万、月額料金等で月20~25万くらいを見ておくと無難かと思います。即ち、貯金等で老後までに手元に300万は最低残しておき、さらに毎月20~25万の収入があれば、老後が乗り切れる計算です。
では、次に年金でいくらもらえるか見ていきます。
現行水準を踏まえ、「国民年金に未納がなく満額の年78万もらえる前提」のもと、35年働いたサラリーマンがもらえる年金の総額は以下のとおりです。
生涯平均年収 | 年金年額 | 年金月額 |
3,000,000 | 1,355,605 | 112,967 |
4,000,000 | 1,547,440 | 128,953 |
5,000,000 | 1,739,275 | 144,940 |
6,000,000 | 1,931,110 | 160,926 |
7,000,000 | 2,122,945 | 176,912 |
8,000,000 | 2,314,780 | 192,898 |
仮に年収400万くらいだったとすると、年金の月額は13万弱となり、先ほどの月20~25万に対しては7~12万ほど足りなくなります。そこで、家賃収入です。
それまで住んでいた家を賃貸に回すことで、実質的に年金の上乗せをするようなイメージとなります。売却した場合は、売却資金を年々取り崩していくようになります。
老後に向けた資金準備はつみたてNISAとiDeCoで
老後資金として現金でもいくらか残しておく必要があるでしょう。
ざっくりですが、1,000万はどんな方でも残しておくべきだと思います。
そして、手段としては税制優遇されたつみたてNISAかiDeCoがいいと思います。どちらも、毎月一定額を投資信託の購入に充てる仕組みでして、例えば月2万円を想定利回り4%で30年運用した場合は以下のようになります。

最終積立額は約1,400万となります。ポイントとしては、元本は720万に対し、元本に近い額(668万)が運用益として乗っかることです。もちろん投資なので絶対得するわけではありませんし、所詮は理論値です。しかし、長期の投資は期待利回りに近似する可能性が高いので、預金するよりは合理的な判断だと私は思っています。
今回は以上です。