こんにちは、会計士のねこぱんだ(@nekopanda_blog)です。
前回の記事で公的年金の増やし方について解説しましたが、今回は私的年金について解説をしていきます。加入は任意なので、純粋に公的年金の上乗せ部分と理解すると良いと思います。前回の記事を読んでいない場合は、まず前回の記事を読みましょう。リンクを貼ります。
公的年金(国民年金、厚生年金)だけでは老後が不安な方は、私的年金を利用して年金の上乗せをすることで不安を少しは解消できると思います。
今回のキーワードは、「国民年金基金」「個人年金保険」「確定拠出年金(iDeCo等)」です。私のおすすめは「iDeCo」ですので、それを念頭に記事をご覧いただければと思います。

国民年金基金とは
国民年金基金は自営業者・フリーランスの方だけが加入できる私的年金です。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
<メリット>
- 加入口数を自分で決められる
- 加入した時点で将来の利回りが確定する(2019年11月では1.5%)
- 支払保険料は全額が所得控除され節税できる
<デメリット>
- 途中で脱退できない(60歳まで引き出せない)
- 基金が破綻したら減額の可能性もある
例えばですが、こんな感じでシミュレーションしてみました。
- 加入時年齢:30歳(60歳まで30年間払込)
- 課税所得:300万円
- 掛金月額:25,750円(A型5口加入)
- もらえる年金:年額60万円(月5万円)※終身年金です
- 毎年の節税額(概算):62,448円
支払保険料総額が927万となりますので16年目から黒字となる計算です。65歳から受け取りを始めると、81歳よりも長生きすればするほどお得になります。
シミュレーションしたい方は、国民年金基金連合会の公式HPにてご確認ください。
確定利回り1.5%で節税もできるため、資産ポートフォリオの一部とすることについて検討の余地があると思います。
個人年金保険とは
次に、民間会社(主に保険会社)が提供する個人年金保険について解説します。こちらは、自営業者・フリーランスだけではなく会社員・公務員の方でも加入できます。
<メリット>
- 変額のものを除き、将来の年金額が確定している
- 保険料控除の対象であり節税できる
<デメリット>
- 利回りが低い(1%未満)
- 途中解約は元本割れとなるのが一般的
- 保険会社が破綻したら減額の可能性もある
結論としては、こちらは不要という理解で良いと思います。
次のiDeCoが大変おすすめです。
確定拠出年金(iDeCo等)とは
iDeCoの解説の前に、企業型の確定拠出年金と確定給付年金について解説します。大企業にお勤めの方は企業年金に加入されている方が多いと思います。この企業年金も私的年金の一つでして、種類として確定拠出年金と確定給付年金があります。解説が長くなるので割愛しますが、企業年金に入られている方はどれくらいもらえるのか確認するといいと思います。
さて、本題のiDeCoですが、これは正確には個人型確定拠出年金といいます。
特徴としまして、
<メリット>
- 月5,000円から始められる
- 税金面でかなり優遇されている
- 運用商品は自分で決められる
- 誰でも加入できる(ただし拠出限度額は人それぞれ)
<デメリット>
- 途中で脱退できない(60歳まで引き出せない)
- 税金面での優遇は将来的に改悪される可能性がある
- 手数料がかかる
- 所得がないとメリットは弱い(特に専業主婦は税金面で)
ざっくりとした理解ですと「自分で始めて、自分が決める、税金が優遇された私的年金」という感じでしょうか。
私自身、iDeCoに加入して2年半以上が経過しますが、非常に満足しております。
運用結果も記事にしておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
私見ですが、個人年金保険は選択肢に入ってこないと思います。
自営業者・フリーランスの方ですと、国民年金基金かiDeCoのどちらかで悩むと思います。一つの考えですが、若い方であればiDeCoにして株式や不動産などのリスク資産にある程度投資をすれば、期待リターンは国民年金基金よりもはるかに高いと思いますので、iDeCoに軍配が上がると思います。一方で、中年に近い方であれば、あまりリスクを取りすぎない方が無難かと思いますので、国民年金基金で安定的に資産形成をすることが良いかもしれません。もちろん、iDeCoでも商品の組み合わせ次第では安定性重視のポートフォリオ生成は可能です。
会社員・公務員の方ですと、国民年金基金には加入できないためiDeCoへの加入をおすすめしたいと思います。先ほども触れましたがリスクが気になるのであれば債券といった安定性の高い商品も数多くありますので、要はやり方次第なのかと思っております。
今回は以上です。