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普通の4人家族は本当に月に48万必要なのか

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こんにちは、会計士のねこぱんだ(@nekopanda_blog)です。

4人家族(夫婦と未婚の子供2人)であれば、京都市内で普通に暮らしていくには月に最低48万円が必要」という調査結果が京都総評により示されました。

そして、子供が成長するにつれて教育費負担が大きくなるため、子供が大学に入るころには必要金額は月に70万円まで膨らみます。詳細は以下の通り。

「夫婦と子ども2人世帯で必要となる生活費・賃金の水準(月額)」

  30代 40代 50代
必要金額 486,913円 549,823円 707,536円
現行水準 320,000円 390,000円 420,000円
不足額 166,913円 159,823円 287,536円

年収に換算すると580万~850万です。

Twitterでも話題となり、この結果に賛否の声が上がっています。

「普通」がどんな水準なのか、京都総評はこのように説明しています。

「普通」とは何か、なかなか決めるのは難しいです。われわれは全体の7割の方が持っているものを必需品とし、消費量(たとえば、スーツを何着持たせるのか)は「下から3割」を基準に決めました。したがって、今回の数字が想定しているのは、どちらかと言えば質素な普通の暮らしとなっています。

そして、この金額を捻出するためには「最低時給を1,500円以上」にするほか、社会制度全般の改善が必要であるとの提言をされています。

このニュースに関し、私は以下のようにTweetしました。

具体的に解説をしていきます。

なぜ月48万円が必要なのか

月48万の前提条件

世帯モデル

  • 夫:正規社員
  • 妻:無職ないし非正規社員
  • 子供2人:幼稚園と大学は私立、小・中・高は公立へ進学(年齢差は3~4)

家計モデル

  • 京都市伏見区の賃貸マンション(グレードは平均よりやや下)
  • 家具・家電(4家具・家事用品)は原則保有率7割以上のものを保有する
  • 小型自動車を1台保有(7年落ち中古車を6年おきに買い替える)
  • お小遣い(10その他)は30代13,500円、40代15,500円、50代23,000円
  • 「B非消費支出」は源泉税および社会保険料
  • 「C予備費」は個々人の多様性に配慮したもの
  30代夫婦子2人 40代夫婦子2人 50代夫婦子2人
居住面積(賃貸) 42.5㎡ 47.5㎡ 50㎡
A消費支出(1~10) 381,075 420,094 553,834
1食費 112,881 128,228 138,407
2住居費 63,542 67,708 69,792
3光熱・水道 18,636 19,405 19,830
4家具・家事用品 11,520 13,200 13,544
5被服・履物 13,095 13,538 17,413
6保健医療 8,440 11,857 12,003
7交通・通信 53,185 53,707 65,847
8教育 28,097 38,875 127,847
9教養娯楽 26,192 26,702 28,879
10その他 45,487 46,874 60,272
B非消費支出 67,738 87,729 98,402
C予備費 38,100 42,000 55,300
最低生計費A+C 419,175 462,094 609,134
D同上A+B+C 486,913 549,823 707,536
同上D×12 5,842,956 6,597,876 8,490,432

夫婦が50代になったときに教育費が急増するのは、子供2人が私立大学に入学する前提としているためです。

報告書ではより詳細な計算過程を残していますので、気になる方は京都総評のホームページをご覧ください。

補足

この調査では児童手当などの行政支援は考慮外です。児童手当は、京都市では産まれてから中学卒業までもらえるもので、総額にすると1人あたり約200万(所得制限を受ける方は総額90万)となり、子供2人家庭では総額400万となります。(他の自治体も概ね同額にしていると思われます。)

この調査の真の目的とは

この調査の目的を理解しようとせずに調査結果を鵜呑みにするのは良くないでしょう。京都総評が何を考え、最終的にどうしたいのかを推測することが重要です。

京都総評は正式名称が「京都地方労働組合総評議会」でして、要するに「労働組合」です。労働組合とは、労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体です。

すなわち、京都総評は「普通の生活をするのにいくら必要かを明らかにすること」によって「経営者に賃金アップを交渉する」ためにこの報告書を作成している、というのが私の推測です。

京都総評にとって本当に大事なのは「組合員のために賃金を今よりも上げていくこと」であって、「生活費が月にいくら必要か」はあくまでも説得材料にすぎません。

賃金が上がらない世の中とどう向き合うか

日本の実質賃金の推移

日本の賃金が上がらないのはなかなか深刻な問題です。

以下は全労連が作成した実質賃金指数推移の国際比較です。

日本だけが下がっているのがわかります。(中には横ばいの国もあるのだとは思いますが、説明の都合上省かれているような気がします。)

京都総評も賃金を上げるために色々と苦労されているのがうかがえます。それほどまでに、賃金アップの交渉は難しいのでしょう。交渉材料を用意するのも納得です。

賃金が年々上がるのであればお金の問題は自然に解決するのでしょうが、状況を踏まえるとそうもいかないと思います。そこで、まずは自分で解決することを念頭におくべきでしょう。

個人でできること

先ほどの30代夫婦と子2人の例ですが、以下のように改善案を出してみました。

  • 妻は非正規ではなく正規へ(夫婦で年収500~600万)
  • 「1食費」は「内食」や「中食」中心へ
  • 「3光熱・水道」は自由化をうまく活用して格安事業者を利用
  • 「4家具・家事用品」は個人間売買の利用や買替え時期を遅らせる
  • 「5被服・履物」も個人間売買・アウトレット品を利用
  • 「7交通・通信」はカーシェア・格安SIMを利用
  • 「9教養娯楽」はなるべくお金をかけずに楽しむ方法を見つける
  • 「10その他」「C予備費」など不明瞭な支出は極力避ける
  改善前 改善後 改善額
居住面積(賃貸) 42.5㎡ 42.5㎡ -
A消費支出(1~10) 381,075 287,079 -93,996
1食費 112,881 65,000 -47,881
2住居費 63,542 63,542 0
3光熱・水道 18,636 16,000 -2,636
4家具・家事用品 11,520 8,000 -3,520
5被服・履物 13,095 8,000 -5,095
6保健医療 8,440 8,440 0
7交通・通信 53,185 30,000 -23,185
8教育 28,097 28,097 0
9教養娯楽 26,192 20,000 -6,192
10その他 45,487 40,000 -5,487
B非消費支出 67,738 67,738 0
C予備費 38,100 10,000 -28,100
最低生計費A+C 419,175 297,079 -122,096
D同上A+B+C 486,913 364,817 -122,096
同上D×12 5,842,956 4,377,804 -1,465,152

他力本願ではなく、自力でできるところから改善していくのが大事だと思います。

具体的な削減方法については、他の記事をご参照ください。

今回は以上です。

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