投資の王道といえば株式投資と債券投資です。
これらの違いについて説明できますでしょうか。リスクはどちらが高いでしょうか。リターンはどちらが高いでしょうか。その理由はなぜでしょうか。
結論から言いますと、株式の方が債券よりリスクが高く、リターンも株式の方が高いです。
今日はこの問いに答えていきます。理由が説明できるようになることが皆さんのゴールとなります。
リスクとリターンの関係
まずは基本を学びましょう。至ってシンプルです。
- リスクの小さいものは、リターンも小さい
- リスクの大きいものは、リターンも大きい
実際のものを見てみましょう。
期待リターン | リスク | |
国内債券 | 3.00% | 6.50% |
国内株式 | 4.80% | 22.50% |
外国債券 | 3.20% | 12.90% |
外国株式 | 5.00% | 22.50% |
(出典:GPIF「年金積立金管理運用独立行政法人の中期計画(基本ポートフォリオ)の変更」)
国内で見ていきます。
- 債券のリスクが6.5%、株式のリスクは22.5%と債券の方がリスクが低い
- 債券のリターンが3%、株式のリターンは4.8%と債券の方がリターンが低い
海外も同様です。リスクとリターンの関係はわかりましたでしょうか。
大事なのでもう一度記載します。
- リスクの小さいものは、リターンも小さい
- リスクの大きいものは、リターンも大きい
参考までにですが、上記4タイプを伝統四資産と呼びます。株式について国内と海外で2通り、債券について国内と海外で2通りの計4通りあり、投資はこれら4種に分散して投資することが基本であり王道となっています。
株式と債券はどちらがリスクが高いのか
先ほどの例でネタバレしてしまいましたが、株式の方がリスクが高いです。
では、なぜ株式の方がリスクが高いのでしょうか。
以下は債権者と株主の違いを表した図です。債権者も株主も企業に100万円を出したところまでは一緒です。

債権者は100万円を企業に貸したことで、企業から利息の支払いを受け、返済日が来たらお金が返ってきます。
株主は100万円を企業に出資したことで、企業から配当の支払いを受け、企業が清算するときは出資の払戻を受けます。(清算はめったにないので、基本的には出資の払戻はなく、現金化したい場合は通常別の人に売却します。)
ここまで見ても、違いはわからないと思います。
実は、順番が決まっており、必ず債権者が優先されます。
利息の支払い VS 配当金の支払い
企業は売上によって入った現金を基に、仕入先に仕入代金を払い、従業員に給料を払い、利息を支払い、最後に利益が残っていれば株主に配当金を支払います。
利息は利益が出ていなくても払わなければいけませんが、配当金は利益が出ていなければ払えません。よって、株主の方がより高いリスクを負っています。そのため、株主の方がリターンが高くなければ株主を集めることはできません。
よって、債権者のリターンよりも株主のリターンの方が高いのが通常です。
現実の世界に目を向けると、企業の業績が好調の場合は配当がたくさん払われ、企業の業績が不調の場合は配当は抑制され、最悪配当ゼロも有り得ます。
株主の方がリターンは高いですが、リスクも高いということです。
元本の返済 VS 出資の払戻
企業が倒産した時を考えてみましょう。
企業が倒産した場合、従業員が未払いの賃金を得て、債権者(銀行など)が未払いの利息と元本を得て、最後にお金が残っていれば株主がお金を回収します。
ここでも、優先されるのは債権者で、株主は後回しです。
よって、株主の方がリスクが高いです。
株主の方がリスクが高いので、株主からの出資を受けるには、株主のリターンは債権者より高くなければいけません。
ここまでで、株主の方が債権者より高いリスクを負っていることがわかったかと思います。そのため、リターンも株主の方が高くなります。
株式と債券のどちらに投資すべきか
それでは、株式と債券のどちらに投資すべきでしょうか。
結論としては、どちらも投資すべきだが、投資が長期に及ぶなら株式の割合を増やし、投資が短期で終わるなら債券の割合を増やすというのが一般的な戦略です。
どちらも一長一短ですので、バランスよく持っておくのが一番良いですが、例えば20代の若者が30~40年くらいかけて投資をするのであれば、株式の割合を高めることで、より高いリターンを目指していくのが推奨されます。
つみたてNISAやiDeCoでどの商品に投資すべきかで悩んでいる方もいると思いますが、基本はバランスを重視し、運用期間に合わせて少しバランスを変えてみるのがよいでしょう。
今回は以上です。